実績紹介

サン設計事務所の想いが詰まったプロジェクトストーリー
石狩市立 厚田学園
ProjectStory01

石狩市立 厚田学園

業務:設計・監理 構造:鉄筋コンクリート造 地上3階
竣工年:2020年 規模:2,998m²
発注者:石狩市 所在地:石狩市
概要:小中学校、保育園、地域図書館、防災備蓄庫、屋内体育館改修

設計コンセプト

石狩市の厚田地区は、明治の開拓時代からニシン漁で栄えた場所です。海岸近くの高台にあった旧厚田中学校を解体して、石狩市内の小学校3校と中学校2校が統合して義務教育校として生まれ変わりました。設計にあたっては、「木の温もりを感じる内装デザイン」「海が見える大きな窓」「学校の歴史と伝統を受け継ぐメモリアルホール」の3つの設計コンセプトとしています。

施主との打ち合わせ内容

石狩市教育委員会をはじめ、石狩市保健福祉部と建設水道部が出席して、毎週1回の設計打合せを綿密に行いました。

石狩市教育委員会からの主な要望としては

  • 「義務教育校と保育園の連携がしやすい計画とすること」
  • 「学校図書館と屋内体育館は地域に一般開放できるようにすること」
  • 「普通教室は複式指導に対応したレイアウトを基本とし、ICT教育環境を整備すること」
  • 「屋内体育館を避難所とし、保育園を福祉避難所に対応できる機能を満たすこと」
  • 「地震と津波等の災害に備える建物とすること」
  • 「児童と生徒の安全を確保するための防犯対策を講じること」

最終的には、これらの要望を全て満たした設計を行いました。

設計で心掛けたこと

設計条件を整理する上で、学校関係、保育園関係、生涯学習関係など複数に渡っての打合せが必要だっため、限られた期間の中で、設計業務スケジュールを管理し、効率的にヒアリングを行うことを重点的に心掛けました。

園児と小学生と中学生の身体的な大きさと能力に合わせた、空間構成と家具などのディティールの検証を行い、誰もが使いやすいユニバーサルデザインとしました。

現場に入って感じたこと

旧校舎の解体工事と校舎新築工事と屋内体育館改修工事を合わせて、計7社の施工業者に対して工事監理を行いました。それぞれの施工業者に対してチェックすべき工事監理が多くて苦労は多かったのですが、工事が進んでいく中で、それぞれの施工業者のチームワークに助けられた場面もあり、我々に取っては最も記憶に残る仕事の1つとなりました。

完成した建物について

外観は厚田の夕日をイメージしたオレンジ系色をベースに、エントランスは番屋をモチーフにしています。完成した時に、この外観をあらためて見た時に、厚田の豊かな自然と漁場で栄えた歴史を継承する街並みの景観に貢献できればと思いました。

道内では義務教育校と保育園が併設された初めての事例であり、関係者からは連携がしやすいと好評です。学校の一般開放の図書館の利用者も増えており、地域住民からは地域の活性化の相乗効果も期待されています。